皆さん、こんにちは。まつむら歯科クリニック院長の松村賢です。
梅雨とは思えない暑い日が続いていますが、毎日元気に診療を行っています。
さて、6月1日より厚生労働省による2年に1度の診療報酬改定があり、保険点数が変わりました。
「診療報酬改定??」「保険点数??」・・・難しい言葉ですよね。私達、歯科医師も2年に1度頭を悩ます時期です。簡単にお話しすると、虫歯を治したり、歯を抜いたりする時の請求金額が変更されたという事です。今までと同じ治療をしているにもかかわらず、窓口でのご負担額が変わっていて不思議に思われている方もいらっしゃったかもしれませんが、この様な事情の為ご理解頂ければ幸いです。
この様なお話を先にしてしまうと、診療報酬改定って悪い印象になってしまいますが、患者様にとってメリットもたくさんあります。過去のお話をしますと、2020年の診療報酬改定では予防医療の要素を含む治療が保険適用になりました。当院では予防歯科に最も力を入れていますが、これを機に興味を持っていただく患者様が増えた様に思います。では令和6年の診療報酬改定のポイントはなんでしょうか。
私の個人的な感想として、今回の改定で「継続的に口腔環境を管理する」事がさらに重要になったと感じています。では、管理とはどういうことでしょうか?
虫歯や歯周病に対して治療を行い、さらにその後も継続して健康になった状態を管理していく事が重要視されているように思います。例えば、口腔機能低下症(口腔内の機能(咀嚼、嚥下、構音、唾液、感覚)が低下していく症状)や口腔機能発達不全症(口の中の機能が正常に発達せず、咀嚼、飲み込み、発音などに問題が生じる症状)という病気があります。初めて聞く方が多いかもしれませんが、実は、50代では48%、60代は60%以上が口腔機能低下症に該当しているという調査報告があります。当院でも口腔機能低下症と診断する方が少しずつ増えているように感じます。
口腔機能低下症、口腔機能発達不全症と診断された場合、歯科医院で機能訓練を行いながら管理していくことが、より推奨されるようになりました。つまり、虫歯や歯周病の治療だけでなく、食べたり、話したりする機能を向上させるために歯医者に通う事が必要になったという事です。
「いつまでもおいしく食べる」を掲げる当院は、健康な歯を残すために虫歯や歯周病の治療を行い、残念ながら歯を失ったら、適切な入れ歯やインプラント治療を行っています。そして、噛むための治療は従来通り行いながら、飲み込む事や話をするといったお口周りの機能にも目をむけ、患者様の「口腔環境を管理する」事を続けていきます。最近、はばけやすくなった、何となく飲み込みづらい、そういった症状を感じたら、是非ご相談ください。
では、皆様の「いつまでもおいしく食べる」をお手伝いするために来月も頑張って投稿します。